結婚式の作り方

サプライズ１『出会いのかけら』、サプライズ2『ビートイッターズ』、ひとつづつこの数ヶ月間の集大成が披露され、肩の荷が下りていく。

そして最後の爆弾。


さっこの実家訪問。
両親からのメッセージ動画が流れるまでは、油断できない。


それにしてもビートイッターズ、なんてできた子ばかりだ。
と、つくづく思う。

披露宴会場から花を運び、景品を運び、チェキ撮影、一眼レフでの記録係に、受付、・・・
二次会の準備から後始末まで、すばらしいチームワークのよさで協力してくれた。

ビートイッターズ。なんて働き者。

さてさて、『ふたりへ』のメッセージ。
最初に黒田くんから、試作が送られてきたときしょっぱなの自分のメッセージが、こっ恥ずかしくて

「モザイクをいれてくれ」

と頼んだものの、

「いやいや、さっこ絶対泣くよ。これ」

と黒田くん。

そして黒田くんの思惑通り、速攻泣くさっこ。
涙を誘おうと思って、発したメッセージではないだけに、なんというか恥ずかしさの方が勝って、申し訳ない。


そして、そしていよいよ、さっこの両親の姿がスクリーンに現れる。

いえーい。
解禁！！！！！

長かった。

エンドロールが流れ、この４ヶ月間の集大成、これで全てが完了。


どれだけこの瞬間を待ちわびていたことか。
やっとすべてをさっこに話せる。


２月に山中湖ではじまったこのプロジェクト。

「さっこ驚かせたいね。実家とか勝手に行って、こっそりメッセージもらったりして。
おれ、またとーちゃんと温泉入るわ！！」

すべてを実行した黒田くん。

よしこんちでのTHIS IS IT観賞会から誕生したビートイッターズ。

まさかこれだけのメンバーが集まり、そしてこんなにストイック踊ることになるとは。
都合がつかず結婚式当日参加できなかった、裏ビートイッターズもたくさんいた。


あの、メッセージの通りだけど、ほんとに縁とは不思議なもんで、みんなとこうして知り合って、長い年月を経て、この日に至った、最初の最初のきっかけが、さっこだったと思うと、人生とはスレスレなもんだなと思う。

「このサークル入ってなかったと思うとぞっとするわ」

と、何度も黒田くんと話したけど、ほんとにそれこそスリラー。


二次会のあと、九大２で三次会へ。


上は広田さん、肱黒さんの代から下は、きんこ、とっきー、やんきーまで、トゥゲで過ごしたあの黄金時代に一瞬にしてタイムトリップする。


今では、皆社会人として、それぞれの分野でかなり立派に働いているものの、酒の席でのはしゃぎかたは何一つ変わっていない。

あのノリ。勢い。飲みっぷり。ばかっぷり。



あの場にいて、楽しくて楽しくて楽しくてしょーがなかったのと、こんな先輩や友達や後輩がいることを、誰かに自慢したくてしょーがない気分になった。




こうして、卒業しても学年関係なくこれだけの人数が集まる機会はめったにないぞ。


さっこの実家でバーベキューしたとき、さっこのお母さんは、何度も何度も何度も何度も、繰り返した言葉をまた思い出す。



「さっこはほんと財産つくったね。ほんっと、皆さんこれからも仲良くしてくださいね。」




いやいや、ほんとにこちらこそ。
どうぞこれからもよろしく。



そして、忘れてはいけない。

あの夜、四条の街に消えた、けんろーさん。
二度とその姿を見ることはなかった…